「あつ整体院」で本当に健康なお身体へ

「最近、階段で脚が重い」「椅子から立つ時に、前より手をつくようになった」「買い物に行くだけで疲れる」。50代、60代になると、こうした変化を全部「年齢だから」で片づけやすくなります。

でも、単なる年齢だけではなく、筋力や筋肉量、歩く速さ、活動量が少しずつ落ちている可能性があります。その代表的な考え方がサルコペニアです。サルコペニアは、高齢になるにつれて骨格筋量が減り、筋力や身体機能が低下した状態を指します。

怖がる必要はありません。ただし「まだ歩けるから大丈夫」と放置するより、立ち上がり、歩行、食事、運動を早めに見直す方が現実的です。この記事では、難しい専門用語だけで終わらせず、日常で気づくサイン、簡単なチェック、運動と栄養、病院へ相談した方がいい場合まで整理します。

この記事でわかること

  • サルコペニアとは何か
  • 「年齢のせい」と決めつけない方がいい変化
  • 椅子立ち上がり・歩行で見る簡単チェック
  • 筋肉量だけ見ればよいわけではない理由
  • 筋力トレーニングの考え方
  • たんぱく質を含む食事の見直し方
  • 医療機関で評価を受けたい場合

ChatGPT 画像 2026年10月4日 14_37_25-2

「筋肉が減る=サルコペニア」だけではありません

サルコペニアは、単に筋肉量が少ないだけではありません。アジアの診断基準では、筋肉量に加えて筋力や身体機能を評価します。つまり、見た目が細いか太いかだけでは判断できません。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、サルコペニアは「高齢になるに伴い、骨格筋の量が低下し、筋力や身体機能が低下した状態」と説明されています。活動不足、病気、栄養不良なども危険因子になります。

だから「体重が変わっていないから大丈夫」とも言い切れません。体重が同じでも筋肉が減り、脂肪が増えている場合があります。逆に、体重が少なくても筋力や歩行が保たれている人もいます。

ここで大事なのは「一回立てるか」だけではありません。5回続けて立つと急に遅くなる、左右どちらかへ体重が偏る、最後の2回だけ手をつきたくなる。こうした変化も、筋力や持久力の余裕が少なくなっている手がかりです。

また、低いソファでは立てないが食卓椅子なら立てるという場合、筋力だけでなく椅子の高さや股関節・膝関節の可動域も関係します。評価は一つのテストで決めず、複数の生活動作から考えます。

最近「手をつかないと立てない」なら、年齢だけで終わらせない

日常で気づきやすい変化は、立ち上がりです。以前は何も考えず立てていた椅子から、最近は手をつく。低い椅子を避ける。床から立つのが嫌になる。こうした変化は、太もも前やお尻の筋力、バランス、関節機能などが落ちている可能性があります。

もちろん、膝痛や股関節痛、腰痛があるだけでも立ちにくくなります。だから「立ちにくい=サルコペニア」と自己診断するのは違います。

ただし、痛みがないのに立ち上がり速度が落ちた、何度も反動を使うようになった場合は、筋力低下のサインとして一度生活を見直す価値があります。

歩く速度が落ちた、信号が気になる。それも身体機能のサイン

「昔より歩くのが遅くなった」「家族に置いていかれる」「青信号の間に渡り切れるか不安」。こういう変化も大切です。サルコペニアの評価では歩行速度が身体機能の指標として使われます。

アジアのサルコペニア診断基準では、6メートル歩行速度が毎秒1.0メートル未満などが低身体機能の目安に含まれています。ただし家庭で数値だけを測って診断するものではありません。

数字よりまず「以前と比べてどうか」を見てください。歩く速度、外出時間、休憩回数、階段、買い物袋を持つ力。生活の中の変化は、身体の余力が減っていることを教えてくれます。

ふくらはぎが細い?握力が弱い?自己チェックは「気づくため」に使う

サルコペニアのスクリーニングには、ふくらはぎ周囲径や握力などが使われます。アジアの基準では、ふくらはぎ周囲径は男性34cm未満、女性33cm未満がスクリーニング目安の一つです。また握力は男性28kg未満、女性18kg未満が低筋力の基準として示されています。

ただし、これらは診断の一部です。メジャーで測って基準より細かったから「サルコペニア確定」ではありません。むくみ、体格、測定位置などでも変わります。

家庭で使うなら、「以前より細くなった」「握る力が落ちた」「立つ・歩くが遅くなった」ことに気づくためのチェックと考えてください。心配なら医療機関や専門職へ相談します。

体組成計の筋肉量は便利ですが、水分状態や測定条件でも変動します。測るなら同じ時間帯、できるだけ同じ条件で比較し、1回の数字で一喜一憂しないことが大切です。

たとえば筋肉量がほぼ変わらなくても、椅子立ち上がりが速くなり、階段で休まなくなり、外出時間が増えているなら、生活機能としては良い変化です。反対に筋肉量が少し増えても、歩く量が減り続けているなら、運動内容や生活全体を見直す必要があります。

筋肉量だけ増やせばいい?実際に必要なのは「使える筋力」です

体組成計で筋肉量を測ると数字が出ます。これは経過を見る参考になりますが、数字だけ追うと本質を外します。

本当に大切なのは、立つ、歩く、階段を上る、荷物を持つといった生活動作に筋力を使えることです。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、太もも前の大腿四頭筋、お尻の大臀筋、腹筋群、背筋群などは、立つ・歩く・姿勢保持に関わる重要な筋群として紹介されています。

「筋肉量は平均だから安心」ではなく、椅子立ち上がりや歩行がどう変わっているかまで一緒に見ましょう。

サルコペニア対策で、いきなり重い筋トレは必要ありません

筋力トレーニングは重要ですが、最初から高重量を持つ必要はありません。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。

椅子からの立ち座り、壁を使ったスクワット、かかと上げ、軽い段差昇降など、自分の体力に合った方法から始めます。

大切なのは、同じ回数を惰性で続けるのではなく「少し頑張った感」があり、翌日に強い痛みや疲労が残らない範囲で調整することです。膝や股関節に痛みがある人は、深くしゃがむことより動作の質と量を優先します。

食事では、たんぱく質だけでなく、十分なエネルギーを確保することも重要です。食事量そのものが少ない人が、さらに糖質や脂質を極端に減らすと、筋肉づくりに必要なエネルギーまで不足しやすくなります。

朝食がパンとコーヒーだけなら卵やヨーグルトを足す、昼が麺だけなら豆腐や魚のおかずを足す、夕食だけに肉を集中させない。こうした「今の食事へ一品追加」の方が、サプリメントだけに頼るより続けやすい人もいます。

たんぱく質だけ増やせばOK?食事は「総量」と「続けられる形」で見る

筋肉を維持するには、運動だけでなく栄養も必要です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、サルコペニア予防として適切な栄養摂取が重要で、特にたんぱく質摂取が発症予防に有効な可能性があるとしています。

だからといって、プロテインを大量に飲めばよいわけではありません。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを、朝・昼・夜に分けて取りやすい形へ整える方が現実的です。

食欲が落ちている、体重が急に減っている、噛みにくい、飲み込みにくい、腎臓病などで食事制限がある場合は、自己流で高たんぱく食にせず医師や管理栄養士へ相談してください。

「歩いているから筋トレはいらない」は半分だけ正しい

歩くことは非常に大切です。心肺機能、活動量、気分、外出習慣など多くのメリットがあります。ただ、歩くだけでは十分な筋力刺激が入りにくい人もいます。

特に、階段や立ち上がりがつらくなってきた人は、ウォーキングに加えて脚やお尻への筋力トレーニングを少し入れる方が合理的です。

厚生労働省も、高齢者には歩行などの身体活動に加えて、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動と、週2〜3日の筋力トレーニングを推奨しています。

サルコペニアとフレイルは同じ?似ているけど同じではありません

サルコペニアは主に筋肉量・筋力・身体機能の低下に焦点を当てた概念です。一方、フレイルは身体面だけでなく、心理面や社会面も含む「健康と要介護の間の弱り」を広く捉える考え方です。

たとえば筋力低下に加えて、外出が減った、人と会わなくなった、食欲が落ちた、疲れやすいという変化が重なる場合は、筋肉だけの問題として扱わない方がいいでしょう。

身体機能を戻すには、運動だけでなく食事、睡眠、外出、社会参加まで含めて考えることがあります。

さらに、食欲低下が続く、発熱や寝汗がある、少し動くだけで息が切れる、むくみが強いなど全身症状がある場合は、筋肉の問題だけで考えない方が安全です。体力低下の背景に、貧血、甲状腺疾患、心肺疾患などが隠れることもあります。

整体や運動指導で対応できるのは、医学的な危険が除外され、生活機能を高める段階です。原因が分からない急な変化は、まず診断を受けることが優先です。

病院で確認した方がいい筋力低下は「ゆっくり」だけではありません

年齢に伴う筋力低下は通常ゆっくり進みます。ところが、片脚だけ急に力が入らない、手足のしびれが急に出た、数週間で急激に体重が減った、息切れや強い疲労がある場合は、単なるサルコペニアと決めつけないでください。

脳血管障害、神経疾患、内分泌疾患、心肺疾患、悪性疾患など、別の原因で筋力や体重が落ちることがあります。急な変化は医療機関を優先します。

また、転倒が増えた、歩行が急に不安定になった場合も早めの評価が必要です。

もう一つ見てほしいのが「やらなくなったこと」です。以前は自転車で買い物へ行っていたのに車だけになった、旅行で階段を避けるようになった、掃除機をかける回数が減った。こうした生活範囲の縮小は、身体活動量がさらに減るきっかけになります。

筋力が落ちると動くのがしんどくなり、動かないとさらに筋力が落ちる。この循環を小さいうちに止めることが大切です。週末に一気に運動するより、毎日の生活で立つ・歩く・階段を使う時間を少しずつ残す方が、続けやすい人も多いです。

家族が気づく変化も参考になります。「最近歩くの遅くなったね」「外出減ったね」と言われた時は、単に年齢の話で終わらせず、体調、食事、睡眠、運動量を一度確認してみてください。

評価するときは「できる・できない」だけでなく、どれくらい余裕を残してできるかも見てください。椅子から一度は立てても、5回続けると息が上がる、ふらつく、膝を強く押さえるという場合は、生活の予備力が少なくなっている可能性があります。

この予備力が減ると、風邪で数日寝込んだだけでも一気に活動量が落ちることがあります。だから、まだ困っていない段階で筋力と活動量を維持することに意味があります。

トレーニングの目標は若い頃の筋力へ戻すことではありません。旅行、買い物、家事、階段など、自分が続けたい生活を楽にする力を保つことです。

今日から見るのは「筋肉量」より、この5つ

  • 椅子から手を使わず立てるか
  • 歩く速度が以前より落ちていないか
  • 階段で休憩が増えていないか
  • 外出や買い物の回数が減っていないか
  • 食事量や体重が急に落ちていないか

全部に当てはまるから病気ということではありません。反対に一つだけでも、以前から明らかに変わったなら、それは身体からの情報です。

サルコペニア対策は、「筋肉を増やす」というより、10年後も立つ・歩く・出かける余力を残すことが目的です。

実際には、50代・60代で「サルコペニア」という診断がつくかどうかより、その前段階で筋力や活動量が落ち始めていることに気づけるかが大切です。診断名を待ってから始める必要はありません。

週2〜3回の筋力トレーニング、毎日の身体活動、十分な食事、睡眠。地味ですが、この積み重ねが10年後の移動能力に関わります。体重だけを追うダイエットとは違い、動ける余力を残す視点で身体を見てください。

サルコペニア対策で重要なのは、特別なトレーニングより「継続して負荷をかけること」です。椅子立ち上がりを10回できる人なら、少しゆっくり行う、回数を増やす、手を使わず行うなど、今の体力より少しだけ上の刺激を作ります。

そして、運動をした日は食事も取る。食事を減らしながら筋力を上げようとすると、身体がついてこない人もいます。特に体重が落ち続けている高齢者では、減量より体力維持を優先する場面があります。

「もっと鍛えないと」と焦るより、今できる生活動作を失わないことから始めてください。立つ、歩く、出かける、荷物を持つ。この普通の動作が、数年後の自立した生活を支える土台です。

筋力低下の変化を追う時は、毎日テストする必要はありません。月に1回、同じ椅子から5回立つ時間を測る、同じ道を歩いた時の疲れ方を見る、階段で手すりを使う回数を記録するなど、生活に近い方法で十分です。

数値が悪くなった時も、それだけで落ち込む必要はありません。風邪の後、睡眠不足、暑さ、旅行後など一時的に体力が落ちることもあります。数週間続く変化なのか、日による波なのかを分けて見ます。

大事なのは、今できることを基準にして少しずつ前へ進めることです。50代・60代は「衰える年齢」ではなく、これからの10年20年をどう動ける身体で過ごすかを準備する時期とも考えられます。

筋力低下は、痛みが出てから始まるとは限りません。「前より外へ出るのが面倒」「重い物を避ける」「階段よりエレベーターを選ぶ」という行動の変化が先に出ることもあります。だからこそ、生活の選択が変わった時点で気づくことが重要です。

運動を始める時も、痛みを我慢して高負荷にする必要はありません。今の身体で安全にできる範囲から、少しずつ回数・速度・負荷を調整します。継続できることが最優先です。

まとめ|「年齢だから仕方ない」で終わらせるには、まだ早い

年齢とともに筋肉や筋力が低下しやすくなるのは事実です。でも、だから何もしなくていいわけではありません。

立ち上がり、歩行速度、階段、外出回数、食事量。日常の小さな変化を早めに拾い、無理のない筋力トレーニングと身体活動、食事を整えることが大切です。

そして、急な筋力低下や体重減少、しびれなどがある時は「サルコペニアかな?」で自己完結せず、医療機関で原因を確認してください。

関連記事|座りすぎ・基礎代謝・内臓脂肪までつなげて読む

よくある質問

Q1. サルコペニアは何歳からですか?

高齢者で問題になりやすい状態ですが、筋肉量は若い成人期以降、徐々に変化します。年齢だけで診断するものではなく、筋力や身体機能などを合わせて評価します。

Q2. ふくらはぎが細いとサルコペニアですか?

細いだけでは確定できません。ふくらはぎ周囲径はスクリーニングの一つで、筋力や歩行、筋肉量なども含めて判断します。

Q3. 筋トレは毎日した方がいいですか?

厚生労働省は筋力トレーニングを週2〜3日推奨しています。毎日同じ筋肉へ強い負荷をかける必要はありません。体力や痛みに合わせて調整します。

Q4. ウォーキングだけではダメですか?

ウォーキングは重要ですが、筋力低下がある人では脚・お尻などへの筋力トレーニングを加える方が生活機能維持に役立ちます。

Q5. プロテインを飲めば予防できますか?

プロテインだけで予防できるとは言えません。食事全体、身体活動、筋力トレーニングが重要です。持病がある人は医療者に相談してください。

Q6. 家でできる簡単なチェックはありますか?

椅子立ち上がり、歩く速度、外出量、階段、ふくらはぎの変化などを見ます。ただし自己チェックは診断ではなく、変化に気づくために使います。

Q7. 何科へ相談すればいいですか?

かかりつけ医、内科、整形外科、老年内科などが候補です。急な筋力低下や神経症状がある場合は早めに医療機関へ相談してください。

なお、サルコペニアの診断基準は専門家が筋肉量、筋力、身体機能を組み合わせて判断します。家庭でのチェックはあくまで「変化に気づく入口」です。自己診断で運動量や食事を極端に変えず、気になる低下が続く場合は医療機関や専門職へ相談してください。

体力の低下を「年齢の証拠」と考えるより、「生活を少し調整するサイン」と考える方が、具体的な行動につながります。小さな変化の段階で気づけること自体が予防の第一歩です。

今できる生活動作を保つことを、体重より先に見る場面もあります。

参考・情報源

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「サルコペニア」
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • Asian Working Group for Sarcopenia 2019 Consensus Update(2020)
「あつ整体院」 PAGETOP