そもそも筋膜リリースとは何?
良く出回っている筋膜リリースマッサーは、元々アメリカで筋肉・筋膜に着目した手法から始まったといわれています。
一般の整体院で受ける説明では「鶏肉をさばいた時に、表面の皮のようなものがあるのをみたことがあるでしょう。人間の筋膜は、鶏肉のそれと同じように筋肉を包んでいる膜のことでウェットスーツのように体全体に張り巡らされる全身を覆っている組織なのです。」と言われることがよくあります。
コリや痛みが出るときには、筋肉の動きが悪くなったり柔軟性が低がったりして筋膜同士が引っ付くようになり、筋肉自体の動きを邪魔するようにしてすべりが悪くなっている、というわけです。
筋肉がスムーズに動き続けるためには筋膜の滑りの良さが必要になるので、筋膜を柔らかく滑りを良くして解きほぐす「筋膜はがし」や「筋膜リリース」といった言い方のマッサージ的施術を行って解決をはかる、そうした技術と言われています。
筋膜リリースは効かないの?
現在、日本の整体や整骨院で行われている筋膜リリース、とても簡単にした誰でもできるような手技として、ちまたの整骨・整体には拡がっていますが、ほとんどマッサージに近いので素人でも誰でも効果は出せます。
反対に医療レベルの手技には知識や鍛錬の大変さを要します。そう考えると、残念ながら単なる整体の技術勉強会に数回通っただけで、誰でもそんなに簡単にレベルの高い筋膜リリースを実践できるようになるわけでもありません。整体業界では、ごく一部の熟達者が行うそうした技術以外の多くは、”なんちゃって手技”になっていることがほとんどとも言われています。
もしそうした事実があったとしても、近所の整体屋さんの”筋膜リリース!”でマッサージ効果を感じることができる場合があるのも間違いではありません。
筋膜療法で治らないものが多いのはなぜ?
その理由を2つほど挙げます。
①そもそも、身体の不調で“筋膜が原因になっている割合”があまり多くないから。
②医療的知識が薄く、にわか仕込みの技術でした行われていないから。
こうしたことが原因だと考えられます。
少し習った程度の筋膜リリースマッサージで全ての体の異常が解決できるわけではないにも関わらず、”なんでも治してみせます”と謳って、藁をもつかむ思いで来院された”難しい状態”の方に対して、説明もせずに安易に手をだすことが多いそうです。それ自体に大きな問題があるのだと思いますが、実際どのように施術されているかは分かりません。
さいごに
世間で広まっている筋膜リリース療法というもの自体は有効なマッサージです。そして医学的知識がなくても誰でも簡単に行うことができるようになりつつあります。また本や雑誌にも良い方法が示されていますので。あなたもぜひ試しにおこなってみるとよいかと思います。
反対にしっかりした医学知識を必要としたレベルの筋膜療法は通常の整体や整骨院でお目にかかれる機会が少ないのも現実としてあります。
全国を探すと、高いレベルで効果的なテクニックを使う施術者も活躍していますので、どうしてもそうした人から受けてみたいのなら、遠くの地域であっても探しあてていってみても良いかとは思います。
ですが、筋膜リリースは自分で十分にできます。