「階段は上れるのに、下りる時だけ膝がズキッとする」
「最後の一段で力が抜けそうになり、手すりから手を離せない」
「横向きや一段ずつなら下りられるが、このままでよいのか不安」
変形性膝関節症の方から、このような相談を受けることは少なくありません。
階段を下りる動作では、上の段に残った脚で体重を受け止めながら、反対の足を下の段へ運びます。重力に逆らって身体を持ち上げる上りとは違い、下りでは身体が落ちていく速度を膝・股関節・足首・体幹で制御する必要があります。
ただし、階段痛をすべて変形性膝関節症のせいにしてはいけません。転倒後の骨折、半月板や靭帯の損傷、感染、結晶誘発性関節炎などでも、階段で強く痛むことがあります。
まだ診断を受けていない強い痛み、急な腫れ、荷重不能、発熱、膝が伸びない状態がある場合は、最初に整形外科で骨・関節・神経の状態と、薬・注射・医学的リハビリテーション・手術などが必要かを確認してください。
医療機関で必要な診断と治療を受け、階段の痛みや生活上の問題が解決した方は、それで終了して構いません。
一方、診断を受けて薬やリハビリテーションを続けても、階段の下りだけが怖い、横向きでしか下りられない、外出先の階段を避けて生活範囲が狭くなっている方もいます。
この記事では、安全な下り方だけでなく、なぜ診断後も階段動作が戻りにくいのか、高槻あつ整体院がどの部分を評価し、施術・運動・階段練習・生活環境の調整をどう組み合わせるのかまで詳しく解説します。
この記事でわかること
- 階段を下りると膝が痛みやすい仕組み
- 横向き・一段ずつ・手すりを使い分ける考え方
- 膝だけでなく股関節・足首・体幹を確認する理由
- 受診を優先すべき危険な症状
- 診断後も階段の不安が残る理由
- 自宅で行う段階的な練習方法
- 高槻あつ整体院で確認する荷重・筋力・動作
- 医療へ戻す基準と整体へ相談する目安

階段下降は「体重を受け止める動作」です
階段を下りるとき、上の段に残る脚は膝を曲げながら体重を支えます。大腿四頭筋は縮みながらではなく、伸ばされながらブレーキをかけるように働きます。この働きを遠心性収縮といいます。
同時に、股関節では殿部の筋肉が骨盤を支え、足首ではすねが足の上を前へ進みます。体幹は重心を段の外へ移しすぎないよう調整します。どこか一つが使いにくいと、膝へ仕事が集中します。
上りより下りが痛い理由
上りは身体を持ち上げる力が必要ですが、動く方向を自分で作りやすい動作です。下りは重力で身体が下へ進むため、落下を制御するブレーキ能力が必要です。
膝蓋大腿関節や脛骨大腿関節には、膝の曲がりと筋力発揮に伴って負荷が加わります。さらに、恐怖心から身体を後ろへ残すと、足先だけを下の段へ探り、膝を長く曲げた状態で支えることになり、つらさが増す場合があります。
痛む場所によって考えることが違います
膝の内側
内側の関節裂隙、鵞足部、内側側副靭帯周辺など、複数の組織が関係します。O脚傾向、股関節の外側支持不足、足部の荷重偏りが重なることもあります。
膝のお皿の周囲
階段下降では膝蓋大腿関節への圧が増えやすく、膝蓋骨周辺に痛みを感じることがあります。膝だけでなく、股関節で身体を後方へ引けるか、足首が曲がるかを確認します。
膝の後ろ
深く曲げたときの圧迫、関節水腫、ベーカー嚢腫、ハムストリングス周辺などが関係する場合があります。腫れや急な引っかかりがあるときは医療機関での確認が必要です。
横向きで下りる方法は使ってもよい
横向き下降は、膝を深く曲げる量を減らし、手すりを使いやすくする方法です。痛みや恐怖が強い時期、安全確保が優先される場面では合理的な選択肢です。
ただし、身体を完全に壁へ向け、足先と膝が大きくねじれたまま下りると、別の負担が出ることがあります。手すりを両手で持てる姿勢、足裏全体を段へ置ける向き、次の段が見える視線を確保します。
横向きは永久に禁止すべき方法でも、全員の最終目標でもありません。まず安全に生活し、痛みが落ち着いたら低い段で正面下降の練習を追加します。

一段ずつ下りる基本
片側の膝が痛い場合、一般には痛い側の脚を先に下の段へ出し、反対側の脚で身体を支えながら下ります。『悪い脚から下りる』と覚える方法があります。
ただし、手術後、強い左右差、麻痺、杖の使用などでは順序が変わることがあります。医師や理学療法士から個別指示がある場合は、そちらを優先してください。
手すりは体重を預けるために使います
手すりに指を添えるだけではなく、必要なときは手掌でしっかり握り、上肢へ一部の荷重を逃がします。手すりを使うことで膝のブレーキ負担と転倒不安を減らせます。
片側手すりしかない場合は、身体を手すり側へ少し寄せます。荷物を持ちながら下りると手すりが使えないため、リュックや小分け、家族の協力を検討します。
足裏を段に置く位置
つま先だけを段へ置くと、足首と膝が不安定になりやすく、かかとが浮いて身体が前へ流れます。可能なら足裏の前半分以上を段へ置き、靴底が滑らないことを確認します。
段が狭い場合は、足をやや斜めに置くことがあります。ただし、膝とつま先の向きが大きくずれない範囲にします。無理に正面へ固定するより、股関節と足部が安定する角度を選びます。
足首が硬いと膝が前へ進めません
階段下降では、支える側のすねが足の上を前へ進む足関節背屈が必要です。足首が硬いと、かかとが浮く、足を外へ向ける、骨盤を横へ逃がす、上半身を後ろへ残す代償が出ます。
膝の痛みがあるから膝だけを鍛えるのではなく、足首の曲がりとふくらはぎの柔軟性、足部で段を捉える能力も確認します。
股関節で身体を支える
殿部の筋肉が働きにくいと、骨盤が外へ流れ、膝が内側へ入ることがあります。反対に、膝を守ろうとして股関節を外へ逃がしすぎると、膝の外側や腰へ負担が移ります。
階段では、胸を張るよりも、お尻を少し後方へ引き、股関節と膝を同時に曲げる感覚が有効なことがあります。上半身を前へ倒しすぎず、手すりで重心移動を補助します。
恐怖心が動作を硬くします
階段で一度強く痛むと、次の一段でも痛むと予測し、呼吸を止め、膝周囲を固めやすくなります。筋肉を固めることは短期的な安定にはなりますが、滑らかな重心移動を妨げる場合があります。
練習では高い階段を繰り返すのではなく、手すりのある低い段で、ゆっくり息を吐きながら行います。成功できる条件を作り、恐怖と痛みを分けて再学習します。
調子のよい日に何度も練習しない
階段を一回下りられたからといって、十往復追加すると負荷が急増します。日常生活ですでに階段を使っている人は、その回数も運動量に含まれます。
練習回数は三〜五回から始め、当日夜と翌朝の腫れ、熱感、こわばりを確認します。痛み止めで楽な日も、量を急に増やさないでください。

自宅でできる段階的練習
第1段階:椅子からゆっくり座る
安定した椅子の前に立ち、手すりや机へ手を置きます。お尻を後ろへ引き、三秒程度かけて座ります。階段下降に必要なブレーキ力の基礎になります。
第2段階:低い台で踵タッチ
五〜十センチ程度の低い台に片脚で立ち、反対の踵を床へ軽く触れて戻します。支える側の膝が内外へ大きく揺れない範囲で行います。
第3段階:手すり付きの一段下降
低い段で手すりを使い、一段だけ下りて戻ります。速度を遅くしすぎて長時間支え続けないよう、一定のリズムを探します。
第4段階:実際の階段へ
一段ずつ、次に交互下降へ進みます。段差の高さ、回数、荷物の有無を一つずつ変え、翌日の反応を確認します。
やってはいけない対応
- 痛みを我慢して深く沈み込む
- 手すりを使わず根性で繰り返す
- つま先だけを段へ置く
- 膝を内側へ入れたまま急いで下りる
- 調子のよい日に往復回数を急増させる
- 腫れ・熱感が強いのに運動を続ける
- 横向き下降を恥ずかしいと考えて無理に正面へ戻す
病院へ相談したいサイン
- 転倒やねじりの後から急に強く痛む
- 膝が大きく腫れ、熱を持つ
- 体重をかけられない
- 膝が引っかかって伸びない
- 発熱や強いだるさを伴う
- 夜間痛が強く日ごとに悪化する
- ふくらはぎの腫れ、息苦しさを伴う
変形性膝関節症と思っていても、骨折、半月板・靭帯損傷、感染、結晶誘発性関節炎、血栓など別の問題が隠れることがあります。これらの症状がある場合は整体や自主練習より医療機関を優先します。
整形外科では何を確認するのか
整形外科では、痛みが始まった時期、外傷の有無、腫れ、熱感、膝の引っかかり、歩行や階段での困りごとを確認します。
診察では、膝の曲げ伸ばし、圧痛、関節水腫、靭帯の安定性、半月板症状、脚の配列、筋力などを評価し、必要に応じてレントゲンやMRI(磁気共鳴画像)検査を行います。
変形性膝関節症と診断されても、階段痛のすべてが軟骨の変化だけで説明できるとは限りません。炎症の程度、膝蓋大腿関節、半月板、筋力、足首や股関節の動き、恐怖心などが重なることがあります。
医師から薬、注射、装具、医学的リハビリテーション、手術が必要と判断された場合は、その方針を尊重してください。自己判断で薬を中止したり、手術適応を整体だけで否定したりしてはいけません。
一方、重大な病態や明確な手術適応がなく、保存療法を続けても階段動作が戻らない場合は、診断名とは別に、実際の動作のどこで負担が集中しているかを詳しく確認する意味があります。
診断後も階段が下りにくい理由
痛みが軽くなっても、階段を安全に下りるための能力が自動的に戻るとは限りません。
痛い時期に横向きや一段ずつで下り続けると、痛みを避ける動作が身体に定着します。また、活動量の低下によって大腿四頭筋や臀部の筋力が落ち、片脚で体重を受け止める時間が短くなることがあります。
足首が前へ動かない、股関節で骨盤を支えられない、上半身を後ろへ残す、下の段を見るのが怖いなど、膝以外の問題が残っている場合もあります。
したがって、診断後も階段が難しい方には、膝の画像だけではなく、荷重、筋力、関節の連動、視線、手すり、段差の高さ、疲労後の変化まで確認する必要があります。
高槻あつ整体院が階段下降で確認するポイント
高槻あつ整体院では、整形外科での診断と治療方針を確認したうえで、階段を一回下りられるかだけではなく、最初の一段、中盤、疲れた終盤で動きがどう変わるかを見ます。
膝の曲げ伸ばし、腫れ、膝蓋骨周囲の反応、大腿四頭筋の遠心性制御に加え、股関節で骨盤を支えられるか、足首が前へ動くか、足裏のどこへ体重が乗るか、体幹と視線がどこへ向くかを確認します。
また、片脚で支えた瞬間に膝が内側または外側へ流れないか、反対の足が下の段へ着く直前に身体が急に落ちないか、手すりをどの程度使えば安全に動けるかを評価します。
施術では、膝だけを強く動かすのではなく、状態に応じて股関節、足首、足部、体幹などの動きや過緊張を整えます。必要に応じて末梢神経や皮膚表層・浅い筋膜の動きも確認します。
ただし、施術直後に下りやすくなっても、関節の変形や耐久性がその場で変わったわけではありません。動きやすくなった範囲を、低い段での運動、荷重練習、実際の階段へ段階的につなげます。
高槻あつ整体院の役割は、医療の代わりに診断することではなく、必要な医療を受けた後も残っている階段動作の問題を、全身機能と生活環境から整理することです。
階段練習は施術と運動を生活動作へつなぐ工程です
寝た姿勢で膝を伸ばす運動や、椅子から立ち上がる運動ができても、実際の階段で同じ力を使えるとは限りません。
階段下降では、足を置く位置を決め、片脚で体重を受け、膝と股関節を曲げながら、反対の足を次の段へ運ぶ必要があります。筋力、バランス、視覚、恐怖心を同時に調整する複合課題です。
そのため、施術で関節を動きやすくし、寝た姿勢や座位で筋力を練習した後、立位荷重、低い台、手すり付き一段下降、日常の階段へと進めます。
一段ずつ下りる方法や横向き下降を残したまま練習して構いません。安全な代替手段を失わず、成功できる条件を増やす方が、恐怖を減らし生活範囲を守りやすくなります。
薬や注射で楽な時こそ負荷を管理します
薬や注射で痛みが軽くなると、階段を速く下りられるように感じることがあります。
しかし、痛みの感覚が下がったことと、大腿四頭筋のブレーキ力、足首の動き、股関節の支持、転倒リスクが同時に改善したことは同じではありません。
楽な日に何度も往復したり、手すりを急に外したりすると、夜間や翌朝に腫れや痛みが戻る場合があります。
薬や注射が効いている期間は、無理を増やす時間ではなく、少ない回数で動作を確認し、筋力と階段練習を正確に行う時間として使います。
生活場面ごとの工夫
自宅
照明を明るくし、手すりを確保し、滑りやすい靴下のまま下りないようにします。階段へ物を置かず、最後の一段の色が分かりにくい場合は目印をつけます。
駅・公共施設
疲労時はエレベーターやエスカレーターを使います。混雑時に後ろから急かされると転倒リスクが上がるため、端へ寄り、手すりを優先します。
旅行
観光地の階段は段差が不規則で、帰路に疲労が蓄積します。杖、休憩、迂回路を事前に確認し、下りだけ交通手段を使う方法もあります。
仕事
階段昇降が多い職場では、荷物を持つ回数、往復数、休憩を調整します。痛みを隠して続けるより、手すり側を歩く、エレベーターを併用するなど環境調整を相談します。
よくある質問
横向きで下りると膝が悪くなりますか?
横向きそのものが膝を悪化させるとは限りません。痛みや恐怖を減らし安全に下りる方法として使えます。ただし、膝と足先が強くねじれない向き、手すり、視界を確保してください。
痛い脚と元気な脚のどちらから下りますか?
一般には痛い脚を先に下の段へ出し、元気な脚で身体を支えます。ただし、手術後や神経症状、個別指示がある場合は異なるため、主治医や理学療法士の指示を優先します。
階段を避け続けると筋力が落ちますか?
完全に避け続けると支える力が低下する可能性があります。ただし、強い痛みや腫れがある時期に無理をする必要はありません。椅子へゆっくり座る、低い台を使う練習で代替できます。
サポーターを着ければ楽になりますか?
安定感が増す人はいますが、全員に同じ効果はありません。締めすぎ、ずれ、皮膚トラブルに注意し、装着しても階段回数を急に増やさないでください。
杖は階段でも使えますか?
手すりと杖を組み合わせる方法がありますが、順序と持ち替えが複雑です。転倒リスクがあるため、医療・リハビリ専門職から実際の階段で指導を受けることを勧めます。
膝を鍛えれば階段痛はなくなりますか?
筋力は重要ですが、股関節、足首、腫れ、段差、恐怖心も関係します。大腿四頭筋だけを強く鍛えて解決するとは限らず、動作全体を評価します。
階段後に腫れたら冷やすべきですか?
急な熱感や腫れがある場合は冷却で楽になることがありますが、長時間冷やし続けないでください。腫れが強い、繰り返す、体重をかけられない場合は整形外科へ相談します。
手術が必要な段階ですか?
階段痛だけで手術適応は決まりません。痛み、歩行、日常生活、画像所見、保存療法の経過を総合して整形外科医が判断します。生活への支障が増えている場合は早めに相談してください。
病院で異常なしと言われても階段だけ痛むのはなぜですか?
骨折や手術対象などが否定されても、筋力、足首・股関節の動き、片脚荷重、恐怖心、段差環境などの機能問題が残ることがあります。診断結果を尊重したうえで、実際の階段動作を詳しく評価します。
階段の構造によって難しさが変わります
同じ人でも、段差が高い、踏面が狭い、手すりが片側だけ、照明が暗い、踊り場がない階段では難しさが増します。身体だけを評価せず、環境の条件を分けて確認します。
段差が高い
膝と股関節を深く曲げる必要があり、支える脚のブレーキ力が増えます。可能なら低い段差の経路、エレベーター、スロープを選びます。
踏面が狭い
足裏全体を置けず、つま先荷重になりやすくなります。足を少し斜めに置き、手すりを使い、急がず一段ずつ下ります。
最後の一段が分かりにくい
色や明るさが同じだと段差を見誤ります。照明、目印テープ、視線を早めに下へ移す工夫が転倒予防になります。
痛みが出る瞬間を分けて考えます
支える脚を曲げ始めた時
膝の曲げ始め、足首背屈、股関節の荷重受け入れが関係します。痛みが出る前に身体を手すり側へ移し、曲げる角度を小さくします。
反対の足が次の段へ触れる直前
最も低い位置まで身体を支える必要があります。段差が高いほど負担が増えるため、横向きや一段ずつを使います。
足が段へ着いた瞬間
下の脚へ重心が急に落ちると衝撃が増えます。足音が大きい場合は、手すりと股関節で重心移動をゆっくりにします。
下り終わった後
最後の数段で痛む場合、筋疲労や動作の崩れが関係します。階段前の歩行距離や荷物も含め、終盤だけの問題かを確認します。
階段下降に必要な筋力を分けて練習します
大腿四頭筋のブレーキ
椅子へ三〜五秒かけて座る練習は、膝を曲げながら身体を受け止める力を養います。痛みがある場合は高い椅子と手支持を使います。
殿部の支持
机へ手を置き、片側へ小さく荷重します。骨盤が大きく横へ逃げない範囲で保持し、階段中の片脚支持へつなげます。
ふくらはぎと足首
壁へ手を置き、踵を床につけたまますねを前へ動かします。痛みのない範囲で足首背屈を練習し、膝がつま先と大きくずれないようにします。
体幹の重心移動
手すりを持ち、身体を前下方へ小さく移します。上半身を後ろへ残したまま足だけ探る癖を減らします。
階段を使う日の負荷管理
通勤や自宅で何度も階段を使う人は、練習を追加しなくても十分な負荷がかかっています。階段回数、荷物、歩行距離、立ち仕事を一日の総量として記録します。
痛みが軽い日に階段トレーニングを追加する場合も、日常の回数を減らす、翌日の予定を軽くするなど調整します。運動だけを切り離さず生活全体で考えます。
薬・注射・サポーターとの関係
痛み止めや注射で痛みが軽くなると階段を下りやすくなることがありますが、筋力、可動域、動作制御が直ちに変わるわけではありません。楽な日に回数を急増させないでください。
サポーターは安心感や安定感を補う場合がありますが、締めつけ、ずれ、皮膚トラブルに注意します。装具の選択は痛む部位や変形の状態で異なるため、医療機関へ相談します。
階段ができることだけを目標にしない
自宅の二階へ行ける、駅で安全に移動できる、旅行先で家族を待たせずに済むなど、生活目標を明確にします。交互下降にこだわらず、一段ずつでも安全に自立できれば重要な成果です。
最終的に正面で交互に下りることを目指す場合も、横向きや手すりを途中段階として活用します。安全な代替手段を残したまま練習する方が、失敗と恐怖を減らせます。
転倒を防ぐための安全確認
階段練習は、手すりがあり、足元が明るく、滑りにくい靴を履いた状態で行います。スリッパ、裾の長い衣服、両手の荷物は転倒リスクを高めます。
めまい、立ちくらみ、強い疲労がある日は練習を中止します。家族が付き添う場合は、真後ろから押すのではなく、下側から身体を支えられる位置を選びます。
階段での転倒は骨折につながることがあります。動作改善よりも、手すり、照明、動線、補助具の整備を先に行うことが重要です。
家族や介助者が支えるとき
介助者が腕を強く引くと、本人の重心が後ろへ残り、かえって不安定になります。本人には手すりを使ってもらい、介助者は下側の段から骨盤や体幹の近くを支えられる位置に立ちます。
「早く」「もっと膝を曲げて」と急かさず、一段ごとに足裏が安定したことを確認します。痛みが強い日は無理に練習せず、エレベーターや別経路を選びます。
階段動作を記録する方法
痛みの強さだけでなく、下りた段数、手すりの使用、横向きか正面か、荷物の有無、翌日の腫れを記録します。条件を揃えると、どの工夫が役立ったか判断しやすくなります。
動画を撮る場合は、安全を最優先し、撮影者が階段上で後退しないようにします。正面、側面、後方の短い動画で、膝だけでなく骨盤、体幹、足の置き方を確認します。
改善の判断基準
交互に下りられるかだけで判断しません。一段ずつでも痛みが減った、手すりへ過度にしがみつかなくなった、最後の段まで動作が崩れない、翌日の腫れが減ったことも改善です。
生活で必要な階段を安全に使えることが第一目標です。筋力テストや見た目が改善しても、恐怖が強く実際に使えない場合は、低い段と環境調整から再構築します。
段差の高さや手すりの条件が変われば、最適な下り方も変わります。自宅でできた方法が駅や旅行先で同じとは限らないため、環境ごとに安全策を選んでください。
無理に同じ方法へ統一しないことが大切です。
安全を最優先します。
まとめ
階段を下りる動作は、膝だけの曲げ伸ばしではありません。大腿四頭筋が身体の落下へブレーキをかけ、股関節が骨盤を支え、足首が重心を前へ運び、体幹と視線が安全な位置をつくります。
横向き、一段ずつ、手すりを使うことは逃げではありません。痛みや恐怖が強い時期に転倒を防ぎ、生活を続けるための合理的な調整です。
まず整形外科で、骨折、感染、半月板・靭帯損傷、強い炎症、手術適応などを確認してください。薬、注射、医学的リハビリテーションで階段の問題まで解決した場合は、それで終了して構いません。
必要な医療を受けても階段の下りだけが戻らない場合は、膝の画像だけでなく、股関節、足首、足部、筋力、片脚荷重、恐怖心、手すり、段差環境を見直す余地があります。
低い段と手すりから始め、当日だけでなく夜間と翌朝の反応を確認しながら、生活で必要な階段へ段階的につなげてください。
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参考にした主な情報源
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
- 日本整形外科学会・日本膝関節学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
- NICE(英国国立医療技術評価機構)「Osteoarthritis in over 16s: diagnosis and management」
- AAOS(米国整形外科学会)「Management of Osteoarthritis of the Knee (Non-Arthroplasty)」
階段の下りでお悩みの方へ
高槻あつ整体院へ相談する中心となるのは、整形外科で必要な診断や治療を受けても、階段の下り、歩行、立ち上がりなどの生活動作が十分に戻っていない方です。
膝の曲げ伸ばしだけでなく、股関節・足首・足部の動き、大腿四頭筋と臀部の働き、片脚荷重、体幹、恐怖心、手すりや段差環境まで確認します。
急な腫れ、荷重不能、発熱、ロック、進行する筋力低下などがある場合は、整体より医療機関を優先し、必要に応じて整形外科へ戻る判断をします。







