健康のために毎日ウォーキング。
5000歩。
6000歩。
中には1万歩を目標にしている方もいるでしょう。
これは、とてもいい習慣です。
でも、60代以降になると一つ気になることがあります。
「毎日歩いているから、脚の筋力も十分保てている」
と思っていませんか?
ウォーキングは健康づくりに役立ちます。
一方で、歩くことと筋力トレーニングは、身体への刺激が同じではありません。
歩くことは続ける。でも、歩くだけにしない。
60代以降は、この考え方がかなり大切になってきます。
この記事でわかること
- ウォーキングだけでは補いにくい身体機能
- 60代以降に筋力が重要な理由
- 歩くことと筋トレの違い
- 筋トレは週何回くらいが目安か
- 膝や股関節が痛い人の始め方
毎日歩いてるから安心?それでも筋力は落ちることがあります
「毎朝30分歩いています」
「毎日6000歩以上歩いています」
こういう方でも、
- 低い椅子から立ちにくい
- 階段で脚が上がらない
- しゃがんで立てない
- 片脚立ちが不安定
ということがあります。
なぜでしょうか。
歩行はとても良い身体活動ですが、普段の速度で歩くだけでは、筋肉へ強い負荷がかかりにくいからです。
「長く動ける力」と「強い力を出す能力」は、同じではありません。
まさか「歩いてる=筋トレしてる」と思ってないよね?
ウォーキングでは、脚の筋肉をもちろん使います。
だから「筋肉を全く使っていない」という意味ではありません。
ただし筋力を維持・向上させるには、普段より少し大きな負荷を筋肉へ与える必要があります。
例えば、
- 椅子から立ち上がる
- スクワットをする
- 階段を上る
- かかとを上げる
- ゴムバンドなどを使う
といった運動では、普通に歩く時より筋肉へ強い刺激を入れやすくなります。
だから、ウォーキングと筋トレはどちらか一方を選ぶものではありません。
60代から怖いのは「歩けるけど立てない」身体
日常生活では、歩くだけではありません。
ソファから立つ。
階段を上る。
重い買い物袋を持つ。
転びそうになった時に踏ん張る。
こうした場面では、ある程度の筋力が必要です。
歩行習慣があっても、筋力が落ちれば、
- 立ち上がりが遅くなる
- 階段で手すりが必要になる
- 歩幅が小さくなる
- 転倒しやすくなる
といった変化につながることがあります。
厚労省も「歩くだけ」では終わっていません
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、歩行などの身体活動を増やすことに加え、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。
さらに、筋力・バランス・柔軟性などを含む多要素な運動も推奨されています。
つまり、
「歩けば全部OK」ではなく、歩行+筋力+バランスなどを組み合わせる。
これが今の考え方です。
じゃあ毎日筋トレ?そこまでしなくていい
筋トレを始めると、真面目な人ほど毎日やろうとします。
でも、毎日同じ筋肉を強く鍛える必要はありません。
厚労省では、成人・高齢者とも筋トレは週2〜3日が推奨されています。
例えば、
- 月曜:筋トレ
- 火曜:ウォーキング
- 水曜:筋トレ
- 木曜:ウォーキング
- 金曜:筋トレ
というような組み合わせでも構いません。
もちろん、体力や痛みの有無によって調整します。
何から始める?まず椅子から立てるか見てみよう
60代以降でおすすめしやすいのが、椅子からの立ち上がりです。
椅子に座り、できるだけ手を使わず立つ。
ゆっくり座る。
これだけでも、太ももやお尻を使います。
最初は5回でも構いません。
楽にできるなら10回。
慣れてきたら椅子を少し低くするなど、負荷を調整できます。
最初から深いスクワットをする必要はありません。
かかと上げ、意外と大事です
立った状態でかかとを上げる運動も、自宅で簡単にできます。
ふくらはぎは歩行時に身体を前へ進める働きに関係します。
机や壁につかまりながら、ゆっくり上げ下げします。
10回できるなら、少しずつ回数を増やす。
余裕が出てきたら片脚へ近づけるなど、段階的に負荷を上げます。
膝が痛いから筋トレできない?やり方は一つじゃない
変形性膝関節症などで膝が痛い方は、
「スクワットなんて無理」
と思うかもしれません。
その場合は無理に深くしゃがむ必要はありません。
例えば、
- 高い椅子から立つ
- 浅いスクワット
- 座った状態で太ももに力を入れる
- 股関節周囲の運動を行う
などへ変更できます。
筋トレ=きつい運動ではありません。
今の身体に合う負荷をかけることが筋トレです。
股関節が痛い人も「歩くだけ」を続けすぎない
股関節痛がある人でも、ウォーキングばかり頑張っていることがあります。
しかし歩く距離を増やすだけでは、股関節周囲の筋力が十分につかない場合があります。
むしろ、歩行量が多すぎて痛みが増える人もいます。
そういう場合は、歩行量を少し減らし、その分を筋トレへ振り分ける方法もあります。
運動時間を増やすのではなく、中身を変えるということです。
ウォーキング30分+筋トレ5分でも十分スタートになる
筋トレというと、ジムへ行って30分、1時間やるイメージがあります。
でも最初からそこまで必要ありません。
例えば、ウォーキング後に、
- 椅子立ち 10回
- かかと上げ 10〜20回
- 壁につかまって片脚立ち
だけでもいい。
大切なのは、今までなかった筋力への刺激を少し入れることです。
「歩けるから大丈夫」ではなく10年後に何ができるか
60代では、まだ普通に歩ける人が多いと思います。
だから筋力低下に気づきにくい。
でも、70代、80代で欲しいのは、ただ歩けるだけではありません。
旅行する。
階段を上る。
電車に乗る。
買い物へ行く。
床から立つ。
そうした生活を続けるには、持久力だけでなく筋力も必要です。
「まだ歩けるから」ではなく、「10年後も動ける身体をどう残すか」。
そこから運動を考えてみてください。
まとめ|ウォーキングはやめなくていい。でも「歩くだけ」にはしない
ウォーキングはとても良い運動です。
心肺機能、活動量、健康維持のためにも続ける価値があります。
ただし60代以降は、
- 歩行
- 筋力
- バランス
- 柔軟性
を組み合わせる方が、将来の生活機能を考えるうえでは現実的です。
「毎日歩いているからもう十分」ではなく、週2〜3回だけ筋力刺激も足す。
それだけでも運動の中身はかなり変わります。
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参考・情報源
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」高齢者版
- 厚生労働省「筋力トレーニングについて」情報シート







