変形性股関節症では、「靴下を履く時だけ脚の付け根が詰まる」「足を反対の膝へ乗せられない」という変化が起こります。
この動作には、股関節を曲げる、外へ開く、外向きへ回す動きに加え、骨盤と背骨の前傾、膝の曲がり、片脚で体を支える能力が必要です。
そのため、靴下が履きにくい原因を股関節の硬さ一つに決め、痛みを我慢して強く開くのはおすすめできません。
この記事でわかること
- 靴下動作で必要な股関節と体幹の動き
- 無理なあぐらストレッチを避けたい理由
- 椅子、脚の置き方、補助具を使う方法
- 変形性股関節症以外も考えて受診したいサイン

靴下動作は股関節の複合テストになります
足先へ手を届かせるには、股関節屈曲だけでなく、外転と外旋を組み合わせる必要があります。
さらに、骨盤を前へ傾け、胸郭と腰部を少し曲げ、反対脚で姿勢を安定させます。
股関節の関節面だけでなく、殿部の筋緊張、内転筋、関節包、腰椎、膝、足首の制限でも動作は変わります。
「もっと開けば履ける」と無理に押し込まない
足首を反対の膝へ乗せ、膝を床へ強く押すストレッチは、痛みのない人には柔軟体操になります。
しかし、脚の付け根に鋭い痛みや詰まり感がある人が反動をつけると、関節周囲を刺激する可能性があります。
可動域を増やすことより、痛みが出ない角度で靴下を履ける環境を先に作る方が現実的です。

椅子を高くすると、股関節の曲がりを減らせます
低いソファや床座りでは、股関節を深く曲げる必要があります。
座面がやや高く、背もたれや壁に手を置ける椅子へ変えるだけで、股関節の屈曲角度と体幹の不安定さを減らせます。
椅子の前方へ浅く座り、痛い側の足を少し前へ出してから靴下へ手を伸ばす方法もあります。
足を膝へ乗せず、外側から近づけます
足首を反対膝へ完全に乗せる必要はありません。
痛い側の膝を少し外へ開き、足を低い台へ置き、体を股関節から前へ傾けると届きやすくなる場合があります。
腰だけを丸めて無理に手を伸ばすと、腰痛やふらつきにつながるため、片手を支持面へ置いてください。
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股関節を開く方向と骨盤を動かす方向を分けます
股関節が硬い人ほど、骨盤を後ろへ倒し、背中を丸めて足先へ近づこうとします。
反対に、骨盤を前へ倒しすぎると、脚の付け根の前面が詰まる人もいます。
「骨盤は前傾が正解」と決めつけず、股関節の角度を少し変え、痛みが少ない骨盤位置を探します。
整体や運動指導では、この代償を見分けずに股関節だけを押し広げると、本人の困りごとを解決できません。
ソックスエイドは負けではなく、生活を守る道具です
ソックスエイドは、靴下を器具へかぶせ、足を差し込んで紐を引く補助具です。
痛みが強い時期、手術前後、朝のこわばりが強い時には、無理な前屈と股関節の開きを減らせます。
補助具で生活負担を減らしながら、別の時間に安全な可動域練習や筋力練習を行う方が、毎朝痛みを我慢するより合理的です。

靴下動作のために行う軽い練習
安定した椅子に座り、痛い側の足を低い台へ置きます。
- 背もたれから少し離れて座る
- 片手で椅子を持つ
- 股関節から小さく前へ傾く
- 痛みが強くなる手前で戻る
- 3〜5回から始める
目的は大きく伸ばすことではなく、足へ近づく経路を体に覚えさせることです。
運動後に夜間痛が増える、翌朝まで強く残る場合は、角度や回数が合っていません。
整形外科で確認を優先したいサイン
- 急に脚の付け根へ強い痛みが出た
- 体重をかけられない、脚が短く感じる
- 夜間痛や安静時痛が強くなっている
- 発熱、全身のだるさ、赤みを伴う
- 転倒後から動かしにくい
- しびれや筋力低下が急に進んだ
変形性股関節症だけでなく、大腿骨頭壊死症、骨折、炎症性疾患、腰部由来の神経症状などの区別が必要な場合があります。

高槻あつ整体院が靴下動作で見るポイント
当院では、股関節の角度だけでなく、骨盤がどちらへ逃げるか、背骨でどこまで代償するか、反対脚で姿勢を支えられるかを見ます。
「硬いから伸ばす」ではなく、痛みの少ない経路を作り、必要な部分は少しずつ動かし、足りない部分は椅子や補助具で補います。
整体は変形した関節を元通りにするものではありません。医療機関で病期と手術適応を確認しながら、残っている動きと生活能力を引き出す補助として位置づけます。
股関節の痛みでお悩みの方へ
股関節の痛みは、股関節だけの問題とは限りません。
骨盤や腰、膝、足首の動き、筋力、歩き方、生活動作などが負担に関係することがあります。
高槻市・川西市で膝や股関節の痛みにお悩みの方は、各院の詳しい案内をご覧ください。
参考にした主な情報源
- 日本整形外科学会「変形性股関節症」
- 日本整形外科学会 患者向けパンフレット「変形性股関節症」
- NICE(英国国立医療技術評価機構)「Osteoarthritis in over 16s: diagnosis and management」
- AAOS(米国整形外科学会)「Management of Osteoarthritis of the Hip」







