変形性膝関節症といわれると、「歩いたら軟骨がもっと減るのでは」「できるだけ動かさない方がよいのでは」と心配になる方がいます。
結論から言うと、すべての運動や歩行を避ける必要はありません。
むしろ、動かなさすぎることで太ももの筋力や関節の動きが落ち、日常生活がさらに不自由になることがあります。
大切なのは、痛みを我慢して無理をすることでも、完全に休み続けることでもなく、その日の状態に合わせて負荷を調整することです。
この記事でわかること
- 変形性膝関節症で本当に避けたい行動
- 正座・スクワット・階段をどう考えるか
- 運動を中止または調整する目安
- 早めに整形外科へ相談したいサイン

「これだけは絶対禁止」という動作は人によって違います
変形性膝関節症は、画像上の変化、痛みの強さ、腫れ、可動域、筋力、生活環境が人によって異なります。
そのため、「階段は禁止」「歩いてはいけない」と全員に同じ制限をかけるのは適切ではありません。
ある人には負担になる動作でも、別の人には安全な練習になることがあります。
動作の種類だけでなく、深さ、回数、速さ、翌日の反応まで見て判断することが重要です。
一番避けたいのは、怖くて動かなくなりすぎること
痛みがあると安静にしたくなります。強い腫れや急な痛みがある時に負荷を減らすことは必要です。
ただし、長期間ほとんど動かない状態が続くと、大腿四頭筋などの筋力が落ち、膝を支えにくくなる可能性があります。
国内外の診療ガイドラインでも、状態に合わせた運動療法は変形性膝関節症の基本的な対策として推奨されています。
短い距離の歩行、椅子からの立ち座り、軽い筋力運動など、できる範囲を残すことが大切です。

痛みを我慢して同じ運動を続けない
「鍛えれば治る」と考え、痛みが強くても回数をこなす方法はおすすめできません。
運動中に痛みが急に強くなる、終わった後も長く悪化が続く、翌日に腫れや熱感が増える場合は、負荷が合っていない可能性があります。
回数を減らす、動く範囲を浅くする、休憩を入れる、別の運動へ変更するなどの調整が必要です。
痛みが少し出たから即座に関節が壊れたとは限りませんが、強い反応を繰り返す必要もありません。

深い膝曲げを無理に反復しない
正座、深いしゃがみ込み、深いスクワットは、膝を大きく曲げる動作です。
これらが必ず悪いわけではありません。元々は大事な動きです。しかし、曲げる途中で強い痛みや詰まり感が出る人が、反動をつけて何度も繰り返すのは避けた方が安全です。整体ではここらを改善していきますが、まずは慌てない。
スクワットなら椅子を使って浅く行う、正座の代わりに椅子を使う、床作業を減らすなど、生活に合わせて調整できます。
「できるか、できないか」の二択ではなく、どこまでなら負担が少ないかを探してください。

急に運動量や負荷を増やさない
調子がよい日に長距離を歩く、急に階段トレーニングを始める、重い負荷で筋トレをするなど、負荷の急増は痛みのきっかけになり得ます。
運動は、一度に頑張るよりも、少ない量から始めて体の反応を見ながら増やす方が続けやすくなります。
歩行時間、回数、坂道、階段、荷物の重さなどを一度に全部増やさないことがポイントです。
膝だけを揉み続けて原因を決めつけない
巷の整骨院や整体で良くやりがち。膝の痛みには、腫れや関節の変化だけでなく、股関節や足首の動き、筋力、歩き方、体重、仕事や家事の負担などが関係することがあります。
痛い場所を強く押す、揉む、叩く方法を繰り返すと、かえって刺激が強すぎる場合があります。
膝だけでなく、立ち方、歩幅、足の向き、股関節の使い方まで含めて確認する視点が必要です。
早めに病院へ相談したいサイン
次のような場合は、自己流の運動や整体だけで様子を見続けず、まずは最初に整形外科へ相談してみましょう。
- 転倒やねじり動作の後から急に強く痛む
- 膝が大きく腫れ、熱を持っている
- 体重をかけられない、膝が抜ける
- 膝が引っかかって動かせない
- 発熱や強いだるさを伴う
- 夜間も強く痛み、日ごとに悪化する
変形性膝関節症と思っていても、骨折、感染、靭帯や半月板の損傷など、別の問題が隠れている可能性があります。

整体で見るのは「禁止事項」より負担の集まり方です
整体では病気の診断や手術適応の判断はできません。
一方で、整形外科での診断を踏まえながら、膝に負担が集まりやすい歩き方、股関節や足首の動き、筋力、日常動作を確認することはできます。
何を禁止するかだけでなく、「どう変えれば続けられるか」を考えることが、長期的な身体づくりにつながります。
膝の痛みでお悩みの方へ
膝の痛みは、膝だけの問題とは限りません。
歩き方や股関節・足首の動き、筋力、体重、生活習慣など、さまざまな要因が膝への負担に関係することがあります。
高槻市・川西市で膝や股関節の痛みにお悩みの方は、各院の詳しい案内をご覧ください。
参考にした主な情報源
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症」または「変形性股関節症」
- 日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン」
- NICE(英国国立医療技術評価機構)「Osteoarthritis in over 16s: diagnosis and management」
- AAOS(米国整形外科学会)「Management of Osteoarthritis of the Hip」







