変形性膝関節症について調べていると、「原因は軟骨がすり減ること」と説明されることが多いです。
たしかに、軟骨の変化は変形性膝関節症と深く関係しています。
ただし、膝の痛みや変形は、軟骨だけで説明できるほど単純ではありません。
体重、筋力、歩き方、股関節や足首の動き、過去のけが、年齢による変化など、いくつもの要因が重なって膝への負担が増えていきます。
この記事では、変形性膝関節症の原因を「軟骨のすり減り」だけで終わらせず、身体全体の使い方まで含めて分かりやすく解説します。
この記事でわかること
変形性膝関節症の原因はひとつではありません
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨や骨、滑膜、半月板、靭帯、筋肉などが関係する疾患です。
一般的には「軟骨がすり減る病気」と説明されますが、実際にはそれだけではありません。
軟骨が弱くなる背景には、年齢による変化、体重の増加、膝への繰り返しの負担、過去のけが、筋力低下、関節の向きや動き方のクセなどが関係します。
そのため、同じようにレントゲンで変形があっても、痛みの強さや生活の困り方は人によって違います。
つまり、原因を考えるときは「膝の中だけ」を見るのではなく、膝に負担を集めている身体の使い方まで見ることが大切です。
よく言われる原因1:加齢による関節の変化
年齢を重ねると、軟骨や半月板、骨、筋肉などの組織は少しずつ変化します。
軟骨は血流が豊富な組織ではないため、傷んだ部分が簡単に元通りになるわけではありません。
また、筋肉量や柔軟性が落ちると、膝を支える力も低下しやすくなります。
ただし、年齢だけが原因ではありません。
同じ年齢でも、膝が痛くない人もいれば、強く痛む人もいます。
年齢による変化を土台にして、体重、筋力、歩き方、生活習慣などが重なったときに、膝の負担が大きくなりやすいと考える方が自然です。
よく言われる原因2:体重と膝への負担
体重は、膝への負担と関係しやすい要素です。
歩く、階段を下りる、立ち上がる、しゃがむといった動作では、膝には体重以上の力がかかることがあります。
そのため、体重が増えると、日常動作のたびに膝への負担が積み重なりやすくなります。
ただし、ここで大切なのは「体重だけが悪い」と考えないことです。
急なダイエットで筋肉まで落ちると、かえって膝を支えにくくなることもあります。
膝のためには、体重だけを見るのではなく、筋肉量、食事、歩き方、日常動作を含めて整えていくことが重要です。
よく言われる原因3:筋力低下
膝を支えるには、太ももの前の筋肉だけでなく、お尻、股関節まわり、体幹、ふくらはぎなども関係します。
よく「膝が痛いなら太ももを鍛えましょう」と言われます。
たしかに太ももの筋力は大切です。
しかし、太ももだけを鍛えればすべて解決するわけではありません。
股関節がうまく使えない、足首が硬い、体幹が不安定、歩くと膝が内側に入りやすいなどがあると、膝に負担が集中しやすくなります。
筋トレをする場合も、膝だけを見るのではなく、下半身全体と歩行のつながりを見ながら行うことが大切です。
よく言われる原因4:歩き方や身体の使い方
変形性膝関節症では、歩き方のクセも膝の負担に関係します。
たとえば、膝が外へ逃げる、足が外向きになる、股関節がうまく伸びない、歩幅が小さい、膝をかばって左右差が出るなどです。
痛みがあると、人は無意識に痛みを避ける歩き方になります。
最初は痛みを避けるための反応でも、その歩き方が続くと、別の場所へ負担が集まりやすくなります。
膝をかばうほど、股関節、腰、足首、反対側の膝に負担が出ることもあります。
だからこそ、痛みが落ち着いている時期には、歩き方や立ち上がり方、階段動作などを少しずつ見直すことが大切です。

過去のけがや関節への負担も関係します
半月板損傷、靭帯損傷、膝の強い打撲、スポーツでの繰り返しの負担なども、将来的な膝の問題につながることがあります。
若いころのけがが、その時点では治ったように見えても、膝の動き方や支え方にクセが残ることがあります。
その状態で何年も生活していると、膝の一部分に負担が集まりやすくなることがあります。
また、O脚傾向や膝の向き、足部の使い方なども、負担のかかり方に影響します。
すべてを自分で判断する必要はありませんが、「昔のけが」「膝の向き」「歩き方のクセ」は、原因を考えるうえで見落としたくない要素です。
痛みの原因は軟骨だけでは説明できないことがあります
レントゲンで変形が強くても、痛みが少ない人がいます。
反対に、画像上の変化が軽くても、強い痛みを感じる人もいます。
これは、痛みが軟骨だけで決まるわけではないことを示しています。
膝まわりの炎症、滑膜、骨、半月板、筋肉のこわばり、神経の過敏さ、動作時の負担なども痛みに関係します。
そのため、「軟骨がすり減っているから仕方ない」とあきらめる必要はありません。
変形そのものを元通りにすることは簡単ではありませんが、膝にかかる負担や動き方を見直すことで、日常生活の不安を減らせる可能性はあります。

整体・身体改善の視点ではどう見るか
高槻あつ整体院では、変形性膝関節症の原因を「膝だけの問題」として見ません。
膝に負担を集めている身体の使い方、歩き方、股関節や足首の動き、太ももやお尻の筋力、体重、生活習慣などを確認します。
もちろん、整体で変形した関節が元通りになるわけではありません。
また、痛みが強い時期や腫れがある時期は、医療機関での確認が必要です。
そのうえで、膝への負担を減らし、動きやすい身体をつくるために、関節の動き、筋力、歩行、生活動作を段階的に整えていくことが大切です。
病院へ相談した方がよい目安
次のような場合は、整体やセルフケアだけで様子を見るのではなく、整形外科など医療機関で相談してください。
- 急に強い痛みが出た
- 膝が大きく腫れている
- 熱感が強い
- 膝がロックして伸びない、曲がらない
- 転倒やけがの後から痛みが強い
- 夜間も強く痛む
- 歩くのが難しい
- 痛みが続いて日常生活に支障がある
特に、腫れや熱感が強い場合、急な痛み、外傷後の痛みは、早めの確認が大切です。
まとめ
変形性膝関節症の原因は、軟骨のすり減りだけではありません。
加齢、体重、筋力低下、歩き方、股関節や足首の動き、過去のけが、生活習慣などが重なって、膝への負担が増えていきます。
だからこそ、膝だけを見るのではなく、身体全体の使い方を見直すことが大切です。
変形そのものを元通りにすることは簡単ではありません。
しかし、膝に負担が集まる原因を減らしていくことで、歩きやすさや日常生活の不安を軽くできる可能性があります。

よくある質問
Q1. 変形性膝関節症の一番の原因は何ですか?
ひとつに決めることはできません。加齢、体重、筋力低下、歩き方、過去のけが、関節の向きなどが複数重なって起こることが多いです。
Q2. 軟骨がすり減ると必ず痛くなりますか?
必ずではありません。画像上の変化と痛みの強さは一致しないことがあります。炎症、筋肉のこわばり、動作時の負担なども痛みに関係します。
Q3. 体重を落とせば膝は良くなりますか?
体重管理は膝の負担軽減に役立つことがあります。ただし、急な減量で筋肉まで落ちると膝を支えにくくなる場合があるため、食事と筋力維持を一緒に考えることが大切です。
Q4. 筋トレだけで変形性膝関節症は改善しますか?
筋トレは大切ですが、それだけで十分とは限りません。股関節、足首、歩き方、生活動作、体重管理なども含めて整える方が現実的です。
Q5. 整体では何を見ますか?
膝だけでなく、股関節、足首、歩き方、太ももやお尻の筋力、体重、生活動作などを確認します。膝に負担が集まっている原因を減らすことを目指します。
情報源
- 日本整形外科学会・日本膝関節学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
- Mindsガイドラインライブラリ「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」 https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00793/
- MSDマニュアル家庭版「変形性関節症」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/
膝の痛みでお悩みの方へ
膝の痛みは、膝だけの問題とは限りません。
歩き方や股関節・足首の動き、筋力、体重、生活習慣など、さまざまな要因が膝への負担に関係することがあります。
高槻市・川西市で膝や股関節の痛みにお悩みの方は、各院の詳しい案内をご覧ください。







